最近では、多くの企業がインスタグラム(Instagram)でビジネスを始めていますが、実際にその宣伝効果を感じていますか?
思うような効果が出ずインスタグラムの運用の仕方に悩んでる方、これから企業のブランド認知拡大や、ECサイトの売り上げアップを目指していきたい方はUGCを活用してみましょう。
UGCは上手く利用することができれば、その悩みや課題を全て解決に導くことができます。
本記事ではUGCとは何か聞いたことがないという方でも、今日からUGCのための運用ができるよう丁寧に解説していくので安心して下さい。
インスタグラムにおけるUGCとは?
UGC(User Generated Content)とは、企業によって作られたコンテンツではなく、一般ユーザーによって作られたコンテンツを指します。
具体的には、個人のSNSの投稿・口コミ・レビューなど、消費者発信のコンテンツのことです。
どこかへご飯に行こうと思い調べた時、このように検索結果にある飲食店に行った人の感想があるとついつい見てしまいませんか?
それがUGCなのです。
UGCと混同されやすいのが、CGM(Consumer Generated Media)です。
一般ユーザーが参加することでコンテンツが成り立つメディアを指します。
代表例は、掲示板やブログなどで消費者が発信するコンテンツによって作られています。
UGCは私たちの身の回りのさまざまな商品やサービスに対して生成されており、現代において一番身近な広告と言えるでしょう。
UGCがインスタグラムに必要な4つの理由
ツイッターやユーチューブなど、様々なSNSが世の中にはありますが、中でもインスタグラムはUGCと相性が抜群です。
その理由は大きく分けて
上記4つが挙げれらます。
それぞれについて詳しく下記にて解説してしていくので、気になる方はご覧ください。
インスタグラムは視覚的な行動を起こしやすい
通常のGoogle検索では自身の好みや系統によらず、文字の羅列という形で結果が出てきます。
しかしインスタグラムでは自身と価値観の合うアカウントや、信頼する友人などのアカウントから発信される画像とコメントを見ることで自分ごとに置き換えやすくなります。
そしてどのような体験ができるのか、その商品を使用することでどのような変化があるのか、具体的なイメージを醸成できるUGCは購買や来訪など実際の行動に繋がりやすいのです。
インスタグラムは最強のマーケティングツール
インスタグラムは国内で3300万人に利用されています。
今ではお洒落な写真や統一感のある投稿だけでなく、さりげない日常の報告・漫画・筋トレ日記・毎日の献立レシピなど様々なジャンルが台頭してきています。
それに伴い利用者層も若者だけでなく幅広い年代に広がっており、インスタグラムは世代、性別を越えてアプローチができる最強のマーケティングツールになっています。
このように、SNSの中でもインスタグラムでUGCを活用することで高い効果を期待することができます。
口コミをきっかけとした購買や選択が半数を占める
テレビやインターネットの普及で膨大な情報が飛び交う中、私たちは日常的に情報の取捨選択が求められます。
化粧品関連でいくと、「絶対に毛穴がなくなる!」「これだけで肌が生まれ変わる!」という宣伝色の強い広告を見ると多くの方が、
- 「本当かどうか怪しい」
- 「よく聞くな、またか」
と疑いを持ったり、辟易としてしまうでしょう。
例えば、上記画像のような企業広告を見て、世界観やキャッチコピー、商品説明に惹かれたとします。
しかし初めて聞く化粧品ブランドだった場合、この化粧品は敏感肌にも使えるのか?実際の使い心地はどうなのだろうか?と購入寸前のところで悩むのではないでしょうか。
そんな時に実際に商品を使用したという、下記画像のようなユーザーの声が購入の後押しとなるのです。
ある調査によると、20歳から79歳にかけて「情報収集して購入を決める」と回答した人が9割でした。「購入の決定に口コミが影響する」と答えた人は半数となりました。
このように、ほとんどの人が購入前に情報の比較検討をしており、半数が最終的な意思決定の際に口コミに影響されています。
EC市場の拡大
インスタグラム公式によると、日本の利用者がショッピングタグがついている投稿などから商品詳細を見る割合は他国の3倍、昨年比で65%に増えています。
日本のインスタグラム利用者はショッピングに積極的であり、インスタグラムで行うビジネスの可能性の大きさが分かります。
このことから、インスタグラムという市場で効果を最大化させるUGCを活用するべきだといえます。
インスタグラムの企業アカウントにUGCを活用する5つのメリット
さて、UGCを活用する得られる効果、メリットはたくさんありますが、厳選して下記5つをご紹介いたします。
それぞれについて詳しく下記にて解説してしていくので、気になる方はご覧ください。
メリット1: ECサイトの売り上げアップ
自社アカウントがタグ付けをされたUGCは、自社のアカウントにリポストすることができます。
企業主体の投稿ではこの情報が溢れた社会で埋もれてしまいますが、自分の知人や親しい友人が「使ってみて良かった」と投稿した商品であれば、信頼性も非常に高くなります。
また一方的な商品やサービスの訴求ではなく、使用者のリアルな声としての客観的な評価は説得力があり、実際の使用感をイメージをすることができます。
このように多くのUGCが作成された商品やサービスは、信頼性の向上と最終的な購買への後押しが期待できます。
メリット2:企業ブランド認知拡大
ユーザーの声はブランドのイメージ構築、価値の向上に役立ちます。
自身で私はお洒落です!と言うより、周りが〇〇さんお洒落だよねと話題にする方がその言葉に信憑性が増すように、多くのUGCを集めることでブランドのイメージが構築されていきます。
また、ブランドオリジナルのハッシュタグを制作し、キャンペーンなどのイベントを並行することでユーザーとの一体感を持ちながら、さらなる認知拡大を図ることができます。
メリット3:ファンの獲得
公式インスタグラムの中にいるのは人ですが、その顔を見ることはできません。
しかし、自分の好きな商品の写真をインスタグラムに投稿した後、企業から「あなたの投稿を公式サイトで紹介してもいいですか?」といったメッセージが来たり、自身の投稿に「素敵な投稿有難うございます」といったコメントが来たとします。
このような交流を通して、ユーザーにとってその企業はとても身近な存在として感じることができるでしょう。
メリット4:広告費の削減・運用の簡略化
UGCとはユーザーが作成する自然発生コンテンツとなります。
企業は自社でコンテンツを考え、制作しなくて済むため制作コストがかかりません。
うまく運用すれば毎日コンテンツを考える事に頭を悩ますことなくその時間を有効に活用することができます。
SNSは長期的な視点でアカウントを成長させていくので、運用に必要な膨大な量の素材・人材コスト・時間を削減できる事はUGC活用の大きなメリットの一つでしょう。
メリット5:さらなる口コミの生成
UGCは自然に発生していくものです。
例えば、Aさんが飲食店に行った投稿をしたとします。するとそのUGCはこのように波及して行くと考えられます。
- AさんのフォロワーBさんがそれを見て行きたいと思う
- Bさんがお店に行き、投稿やストーリーズなど投稿する
- BさんのフォロワーCさんが投稿を見て興味を持つ
- お店がリポストしたAさんの投稿「店内に写真映えスポットがある」というコメントと写真を見たDさんが興味を持つ
必ずしもこの流れになるとは限りませんが、口コミは口コミを呼び広がっていくのです。
バズることよりもフォロワーの伸びは緩やかですが、信頼が積み重なり長期的なファンの形成など着実な効果を期待できます。
インスタグラムでUGCを獲得する3つの方法
企業がインスタグラムのUGC活用をしようとした場合、一般的にはフィード(通常投稿)とストーリーズの二つの形式があります。
それぞれの活用法を初心者の方にも分かるように解説していきます。
方法1:リポスト投稿形式
自社へのタグ付けや指定ハッシュタグを使用したユーザーの投稿をリポストする
投稿のコンテンツはユーザーの投稿のみになります。
UGCをインスタグラムで活用するメリットは上記で述べましたが、ユーザーの投稿をリポストする運用側のメリット・デメリットは下記の通りです。
- 投稿素材や人材にコスト削減
- 投稿のネタを考える時間削減
- 独創的なアイデアを得られる
- 口コミを書いてもらうために基盤作りが必要
- フィード投稿に統一感がなくなる
- 伝えたいメッセージが反映されづらい
メンションされたストーリーズはインスタグラム内でストーリーズという形でリポストできますが、フィード投稿にはリポスト用のアプリが必要です。
リポストアプリは無料で利用できるので、詳しい手順や許諾をとる際の例文などは下の記事を参考にしてみて下さい。
SNSの中でも写真や動画に特化した発信手法をとるインスタグラム(Instagram)。 近年はインスタグラムを用いてサービスやプロダクトをPRする手法がメジャーになっています。 インスタグラムを用いて、 「アカウントの[…]
方法2:オリジナル投稿とリポスト投稿の併用
最適な投稿のみをピックアップしてリポストする
リポストのみだと「伝えたいブランドのコンセプトやメッセージが反映されづらい」というデメリットは、オリジナル投稿とリポスト投稿の併用をすることで解決します。
キャンペーンやイベントの開催で、ユーザーが参加した投稿から一番良いと思うUGCをリポストしたり、自社のコンセプトとマッチする投稿をしているものをピックアップします。
すべてUGCではなく、同時に自社のオリジナルコンテンツも作成し投稿していきます。
上記のように、24時間で消えるストーリーズで、メンションされた投稿をリポスト(引用する)方法もお勧めです。
内容やブランドの世界観をコントロールしやすいため、企業アカウントの運用においては最適な形式と言えるでしょう。
方法3:ハッシュタグキャンペーン施作
フィード・ストーリーズなどで自社アカウントに対してハッシュタグを付けたユーザーの投稿を紹介していく形式です。
いずれも企業側があらかじめブランドや商品のオリジナルハッシュタグを用意し、それをユーザーに使ってもらうようイベントを開催します。
ハッシュタグでの施作例は後述の活用事例にありますので参考にしてみて下さい。キャンペーン施作事例
インスタグラムでUGCを活用する際の注意点とポイント
インスタグラムでUGCを活用する際は、主に自社指定のハッシュタグを使用した投稿、自社にタグ付けやメンションをした投稿をリポストすることになりますがいくつか注意が必要です。
必ず許諾をとり、お礼を伝える
リポストは人の投稿を引用する事です。
失礼のないように、リポストさせて頂く場合は以下の4点に注意をしましょう。
- 事前に許諾をとる
- 感謝を伝える
- タグ付け・キャプションに投稿主のアカウント名を表記し元の投稿者が分かるようにする
- #repost #regram などのハッシュタグを使う
プロフィールやキャプションに断り書きをしておく
ワンポイントアドバイスとして、投稿時にアカウントが指定したこのタグをつけて投稿すれば、「リポストの際の指名記載や事前連絡なくリブログすることなどを承認したものとします」という旨をキャプションやプロフィールに断り書きを記載する事です。
そうすることで、許諾を取る手間が省けトラブル回避にもなります。
インスタグラムでUGCを活用しても効果がない?考えられる3つの原因
これまで企業アカウントにおいてのUGCを活用する大切さとそれによるメリットを解説してきました。
しかしそもそもどんなに試行錯誤してもUGCが発生しなかったり、全く効果をもたらさない例もあります。
具体的に例を出していきますので、当てはまっていないか確認してみて下さい。
原因1:UGCを発生させても効果がない企業がある
例えば、テレビ通販で紹介した物を売っているネットショッピングの会社が、自社ECサイトの認知拡大を図るためにSNSを使ってUGCを集めたい場合です。
この会社ではオリジナル商品がなく、他社のサイトで買える商品を利用者に「このサイトで物を買った!」と投稿してもらうとします。
運営側の目的は、自社のECサイトを紹介したいのですが、実際の効果としては商品のレビューとなってしまっているというズレが発生します。
このようにUGCを発生させても効果がない企業もあります。
原因2:ターゲットと媒体に合うUGCを発生させる必要がある
ブランドの購入層が60代から70代がメインである場合、そもそもインスタグラムをはじめとしたSNSをしていない・投稿自体がないという状況が起きてしまうことがあります。
また60代から70代の層のUGCを集めても、逆にそのUGCを30代から40代くらいの方が見ても効果はありません。
ターゲットに対して、どの媒体でUGCを創出させるかの選定も必要になってきます。
原因3:UGCを生み出す商品でなければいけない
前述の媒体とターゲット層を明確にするだけでなく、それに合う商材が必要となります。
適切な媒体を選んでも、そもそもUGCを生み出しにくい商品もあります。
- 美容・化粧品
- アパレル
- ホテル・観光
- 生活雑貨
- 食品
- お茶など低価格な食料品
- ゴミ袋などの日用品
- カツラや育毛剤
- 高級車や自家用ボート
UGCが出にくい商材として、お茶やゴミ袋など安価でわざわざ人の口コミを読んで比較検討をしないものや、カツラなどのコンプレックス商材のように口コミがしづらいものが挙げられます。
また高価すぎて購入者が少ないものもUGCの生成が少なく効果が見込めないでしょう。
逆に化粧品など人の関心が多い・情報量が多い・影響力が大きいといった、比較検討に時間をかけるものに対しての口コミは、購入の意欲に大きく関連します。
インスタグラムでUGC活用をした成功事例
UGCを活用しているアカウントの事例とキャンペーン施作の事例をご紹介していきます。
アカウント事例1: 海外留学EF
この投稿をInstagramで見る
- イベントやセール情報以外の投稿は全てユーザーの投稿をリポスト
- さりげない留学生の日常が切り取られた写真をシェア
語学留学などの海外留学仲介業を行うEFの例です。
海外留学の日常を写した利用者の投稿を使っています。
企業がプロのカメラマンが撮る構図や加工で写真を載せ、宣伝文句と共に留学を勧めるのではなく、留学生の日々の日常生活をシェアしてもらうことで友達からのお便りのような親近感のあるアカウントとなっています。
閲覧者がこの投稿により留学への気持ちを高めたところで、説明会や留学フェアなどを開催し集客に繋げています。
アカウント事例2:kurasso
この投稿をInstagramで見る
- リポストと自社のオリジナルコンテンツを併用して投稿
- 自社のコンテンツは手書き文字
- アンバサダー起用
生活雑貨やインテリア雑貨を売っているECサイトkurassoの例です。
リポスト投稿が主ですが、自社の製品紹介投稿も定期的に行っており、その際に投稿に文字入れ加工を施すなどしてフィード投稿の世界観を統一しています。
またアンバサダーを起用して、定期的な口コミが投稿されるように工夫されています。
アカウント事例3:freaksstore
この投稿をInstagramで見る
- 公式のアカウントとは別にfreaksstore_stylingという自社ブランドの製品を着たユーザーの投稿をシェアするアカウントを作成
- UGCを収集するためのタグを記載
アパレルブランドのfreaksstoreのアカウントの一つです。
公式では商品の販売や新作情報を発信し、スタイリングや実際のユーザーの声をアカウントを分けて投稿しています。
コーディネートを参考にしたいユーザー、新商品発売について知りたいユーザーなどそれぞれのニーズに沿った情報発信ができるアカウントの運用方法です。
UGCを効率的に収集するために、アカウントが指定した専用のハッシュタグやタグをつけて投稿をするとリポストをする旨をプロフィール欄に記載しておくと良いでしょう
キャンペーン施作事例1: tarzan world
この投稿をInstagramで見る
- アカウントのフォロー・投稿のコメント欄にメンション・ストーリーズでこのアカウントをメンションすることが条件
- キャンペーン参加者の中から1名を選びプレゼントを贈呈
沖縄でツアーを開催しているtarzan worldです。
アカウントをフォローしてもらうことで短期間でフォロワーの増加が見込めます。
また、投稿のコメント欄に友人や家族、恋人など一緒にツアーに参加したい人をメンションすることにより、メンションされた人はこの投稿を閲覧することになります。
さらに、ストーリーズというUGCは、フィード投稿よりも手軽で誰でも取り組みやすく、大きな拡散力があるため認知拡大やアカウントのファン形成に役立ちます。
このキャンペーンの目玉であるプレゼントのツアー内では写真撮影を行うことで、選ばれた参加者がツアーの写真を投稿しさらなるUGCを生成する流れが作られています。
キャンペーン施作事例2: 西尾市観光協会
この投稿をInstagramで見る
- #きっと行く西尾 というオリジナルハッシュタグを作成
- ハッシュタグを使用してコンテストを開催
西尾市観光協会のアカウントです。
#きっと行く西尾 というオリジナルハッシュタグを作り、西尾観光をした時の写真を投稿してもらうことにより地域観光の活性化・魅力発信を促します。
またハッシュタグを付けて投稿してくれたユーザーの中から最も良い投稿にプレゼントを用意することで、多くのキャンペーン参加者を募ることができます。
まとめ
本記事ではUGCが今の時代で必要とされている理由や活用するメリットをご紹介してきました。
インスタグラムのUGC活用で大切なことは、ターゲット・口コミを投稿してくれる購入層・媒体・商材が合った場合に効果を発揮するといえます。
そこで得られるメリットをまとめると、
- ECサイトの売り上げアップ
- 企業ブランド・サービスの認知拡大
- 広告費の削減
- 運用の簡略化
となります。
活用にはリポストやハッシュタグキャンペーンなどのイベント施作がありました。
本記事を参考にして、是非今日からUGCを効果的に活用して企業のアカウントを成長させていきましょう。